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Levi's MADE IN THE USA コレクション、ライトオンで買った501のこと


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2017年、リーバイスが生地から縫製までをアメリカで手がけたLevi's MADE IN THE USA コレクションを発売した。

 

このMADE IN THE USAコレクション、501のセルビッジ仕様で1万円代後半という価格感なんだけど、なんというかすごくちょうどいい

セルビッジジーンズの価格って、日本製だと高いと4,5万くらいはするし、A.P.C.デニムも2万オーバーに値上がりしてるし、LVC(リーバイスヴィンテージクロージング)では3万とか平気で超えるし、デザイナーズブランドだともっとする。

 

その中で2万円しないアメリカ製ジーンズって、規格がバッチリ決まっていて、量産され、安定供給されているプロダクトと言った具合で「普段着として完璧だな」と思って買ってしまったのだ。

 

 

 

文脈

アメリカ、ノースカロライナ州にあるコーンデニム社のグリーンズボロ工場が年内に閉鎖される。

【翻訳有】Cone Mills社 White Oak工場 年内で閉鎖 - 地に足をつける

 

つまり、ホワイトオーク生地の生産が終了するってことなのね。

ホワイトオーク生地については、品質が保証されている良い生地って認識でいいかな。ハリスツイードと似たような感じだね。生地のブランド。生地を使った商品にホワイトオークとかハリスツイードのタグが貼られる。

 

アメリカ国内で、昔ながらの製法で作られるホワイトオーク生地は、時間がかかって生産スピードも遅く生産量も少ない。

その代わり、100年以上変わらない確かな品質とホワイトオークでしか表現できない素朴さがある。

この生地を使って、リーバイスとかテラソンとかギャップとか色んなブランドがジーンズとかジャケットとかを作っていく。

 

ややこしいことにコーンデニム社の前身であるコーンミルズ社は一度倒産している。

再起を機にコーンデニムという社名になったけど、慣習として会社や生地を指してコーンミルズって言ったりもする。

コーンミルズ、2003年 Chapter 11 申請について | 私のリーバイス

 

もともとこのコーンミルズ社が事業提携を結んでリーバイスの生地を供給してたという背景がある。

だから、ホワイトオークのデニム生地で作られているということは、オリジナルそのものであり生ける伝説みたいなジーンズだと俺は認識している。

リーバイス®との協業100周年を迎えた「コーンミルズ」の真実。 / RoC Staff / Ring of Colour

 

で、このコーンミルズ〜コーンデニムは125年続いていたわけだけど、今回その拠点であるグリーンズボロ工場を閉鎖することになった。

アメリカ製のオリジナルなデニム生地生産は終わり、生地から縫製までアメリカ製のジーンズはこれで一旦終了ということなのだ。

 

501セルビッジ...リジッド (カラー:濃色)14oz

今回買ったのは501のリジッド。

14oz表記で、洗うと縮んで14.5ozとかそんな感じだろうね。

 

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若干スリムなシルエット。

 

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ラベルは革。

 

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赤タブは「Levi's®」と「®のみ」の2種類が混在しており、別にどちらがエラーやイレギュラーということでもない。

 

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リベットとボタンフライの様子。

打ち抜き銅リベットとニッケルボタンの組み合わせ。

 

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生地は滑らかで、毛羽立ちや目の粗さ、ツブ感は目立たない。

ジャパンデニムよりもA.P.C.に近いと感じるのは単にリジッドだから?

 

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セルビッジとチェーンステッチの様子。

内側シームはインターロック仕様。

 

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仕方ないところだけど、タグがたくさんついてるのはいただけないね。

90年台以前みたいに固い表示タグが1枚だけポンとついてるのがいいんだけどな。

 

噂と考察

以下は色んな人に聞いた話だ。

ニュースや公式会見ではなくあくまで噂。

 

セルビッジが作られているのは工場のほんの一角

グリーンズボロ工場でホワイトオーク生地用の力織機があるのは、デカイ工場のほんの一角だけで、工場全体におけるセルビッジ生地の生産量なんてマジで微々たるもの、ということなんだって。

生産スピードとか効率を考えたら、いくら値段を高くしたところでセルビッジ生地で大きな利益を出すのは難しいのだろう。

さらにデニム生地の生産と消費を全世界スケールで見てしまうと、アメリカ工場にかかる生産効率は確かに悪すぎる。

 

マジでUSA製生地は終わりなのか

MADE IN THE USAコレクションはやっぱりグリーンズボロ工場閉鎖、ホワイトオーク生地の生産停止に伴う、最後のアメリカ製ジーンズになるようだ。

在庫が捌けてしまったら、再入荷の予定もないと言っていた(ライトオン店員談)。

あと、店舗に並んでるリジッドの生地の色合いが微妙に違ったりした。

これは在庫処分のために多少生地のレギュレーションの幅を広く取っているからではないかな、と思う。

 

実際に売れているジーンズ

実際のMADE IN THE USAコレクションで一番売れてるのは511の濃色加工(糊が落とされてちょっと穿いた感じの加工もされているやつ)らしい。リジッドとかボタンフライは面倒だから敬遠されてるんだってさ。意外〜。

しかしやっぱりここに大きなニーズがあるということなのだろう。

 

なんでライトオンで先行発売なのか 

ライトオンは10年とか結構前に、リーバイスの一大キャンペーンで他のショップに比べてどえらい売上だったことを受けて、今回のMADE IN THE USAコレクションの先行発売と相成ったようだ。

コーンミルズ社の提携と言い、リーバイスは一社とがっぷり提携を組みがち。

このリーバイスストアとライトオンでの先行販売の売れ行きを見て、今後の展開を決めていくとかそんな感じなのかな。

 

 

大方のイメージ通り、ライトオンは流行に合わせたマーケティングで、売れ残りをディスカウントしているようなショップだと思う。

しかし以下のリンクみたいに解説を特設していたり、店頭では縮小率や色落ちをまとめた洗濯レポートも用意されていた。

店員さんによって差はあるだろうけど、グリーンズボロ工場の内情やセルビッジジーンズの色落ちについては把握されている様子だった。

概ね細かくフォローしてくれている印象だ。

e.right-on.co.jp

 

MADE IN THE USA の持つ意味

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このMADE IN THE USA コレクションの一番の魅力は普通のジーンズであるというところに感じる。

普通のセルビッジジーンズが16,000円、それがリーバイスから発売されており、USA製だということ。

こういう直球のジーンズこそ、安定供給してほしかったよね。

 

冒頭でLVCだと3万超えると書いたけど、昔の衣服を忠実に再現するというコンセプト上、値段が張るのは仕方ない。

不要な行程を増やしたり、デザインを分解・解析したり、効率的な手順をあえてしなかったりするから、それはそれで価値がある。

 

ただ、現代にモディファイされ、必要最低限のディティールのみが残されたデイリークローズとしてのジーンズが、今までどうしても現れなかったわけよ。

それはいわば、全てのジーンズが比較対象になってしまい、どうしても差別化を余儀なくされるという、501の大きすぎる存在のせいだったのかもしれない。

 

もはやジーンズは高級化したり、低価格になったり、太くなったり、細くなったり、クラッシュしたり、果てはスウェットに印刷されたりと、本来持つ定義から大きく外れて肥大化してしまっている。

オリジナルでクリティカルなものがなくなり、ライフスタイルに機能が依存していくのは本来作業着だったことを考えると真っ当な進化だと捉えることもできる。

しかしその本丸であるリーバイスが、全行程をアメリカで行い、セルビッジジーンズに求めるものを全て備え、不要な要素を排除し、これが501ですと指定した

俺はここに大きな意味を感じるのだ。

 

 

 

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[最終更新:2018/5月26日]