無塩せきガソリン

SALT-FREE GASOLINE

MENU

プチスタンダード22ヶ月経過記録 A.P.C. PETIT STANDARD 14.5oz (22monthes 1wash 2soak)


f:id:cte26533:20190202225519j:plain

冬が明けたらこのジーンズを穿き始めて2年になる。

もう別に買ってすぐのような感情は既になく、特に何も考えず毎日足を通している。

これがブローアウトしたりすると補修しなきゃいけないとかいう変化が生まれるんだろうけど、幸いなことに物持ちがいい方なのかどこにもその兆候すら見られない。

とはいえ生地は確実に擦れてきているし、インディゴも薄くなってきている。

今はまだダメージが目に見える前の静かなときなのかもしれない。

 

写真

f:id:cte26533:20190202225825j:plain

f:id:cte26533:20190202225830j:plain

腿周辺はかなり落ちた。足を組んだりするからかもしれない。

膝から上は全体的に色が薄くなってきている。

これでどこかに穴でも開いてしまえば、完全に穿き古しジーンズとなる。

 

f:id:cte26533:20190202225834j:plain

f:id:cte26533:20190202230151j:plain

ハニカム


f:id:cte26533:20190202225912j:plain

モモ部分。遠目から見ても暗いところで見てもハッキリ色落ちが確認できる。

 

f:id:cte26533:20190202225915j:plain

膝の内側の部分も擦れてきた。

 

おかしなことを聞くね

ジーンズ関係ないようであるような話が始まります。

先日ふらりと立ち寄った、雪崩を起こした本がそのまま放置されているような古書店で、乱立した平積みのタワーの中に気になるタイトルを見つけてろくに中身も読まずに購入した本がある。それが『おかしなことを聞くね』だ。

 

これ、ローレンス・ブロックさんという方については何も知らず、密林のような古書店ではジャンルも判然とせず、かといって冷やかすだけ冷やかして手ぶらで帰るのもなんだなと思って買ってみたわけですが、この表題作の『おかしなことを聞くね』っていう話のテーマが古着ジーンズだったんだよね。

俺がこういう無駄なところで引きの強さを発揮する点に関してはさておき、ちょっと興味深かったのでこの小説について少し触れてみます。

 

はき馴れたジーンズをわざわざ古着屋に売るのはいったいどんなやつかだって?

おかしなことを聞くね』は、古着のジーンズが売られていることに疑問を持っている男の話。

「こんなに柔らかくなって穿きやすい、いい状態のジーンズが大量に売られている。みんないいジーンズを持っておきたいだろうに、なぜこんなにたくさん手放されているんだろうか?」

ということを主人公が行く先々で尋ねて回る…というストーリー。

 

さて疑問になってくるのは古着のジーンズってそんなに穿き心地いいか?という点である。別に新品のジーンズだって普通に気持ちよく穿けるし、なんなら色落ちするくらい人が穿いて多少擦れてきたようなのはむしろ嫌でしょ。でもこの作中では、そういう古着のジーンズは”穿きならされて穿き心地がよくなった”と形容されている。え〜ホント〜?

 

この『おかしなことを聞くね』こと『Funny You Should Ask』の初出は1978年とある。日本にジーンズを含めた衣類の輸出が解禁され、日本製のジーンズも作られ始めたが、圧倒的にアメリカ軍の古着が人気で、仕方ないのでクリーニング屋でメチャクチャに洗って糊を落として売り始めた時期が1960年。当時は糊がついてゴワゴワの生地は敬遠されていたわけですね。で、洗って柔らかくなったジーンズを売るスタイルは見事に当たり、世界に逆輸入されていく。

しかしこの短編が発表された78年時点ではまだワンウォッシュのジーンズはアメリカでは定着していなかったのか。まあ、「ジーンズは糊付きで固くなきゃあいかん!」みたいな事を言うジジイくらいいそうだしな。あるいはファストファッションなんかはまだないので、生地もそこそこ分厚く固いものばかりで、今みたいなストレッチが効いた薄いジーンズは少なかったのか。

ちなみに主人公が作中で穿いているのはリー・ライダースとある。70年だと片耳とかそのへんですかね。フレアとかでてきてヒッピーっぽくなるあたりとか。

そういう時代背景とかを想像できて、架空の古着ジーンズ卸業とかも出てきて、なかなかおもしろかったね。

 

表題作も含めて、世にも奇妙な物語っぽいホラー的サスペンス的な短編集なのでお好きな方はぜひ。