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なぜリジッドデニムを穿くのか


リジッドデニムは扱いが面倒だ。

洗いすぎるとどんどん色落ちするけど、洗わないのは不潔だし生地が傷んでしまう。

うっかりすると靴や他の服に色移りするし、縮むからサイズを合わせにくいし、なにより固くて穿きにくい。ネガティブなポイントを上げればキリがない。

しかし、様々なブランド・ショップで当たり前のようにリジッドデニムが陳列されている

 

あらゆるメーカーが着心地や触り心地のために生地を柔らかく、薄く、ストレッチするように工夫してきた。

そんな中、なぜわざわざリジッドデニムのような珍奇なボトムスが未だに売られているのか。

そしてそれをわざわざ選ぶのは一体どういう理由からなのか。

という話です。

 

リジッドデニム(生デニム・ドライジーンズ・ローデニム)とは

リジッドデニムとは糊が付いたまま出荷・販売されているデニムのことだ。

糊が付いたままなので生地は固い。

リジッドのまま穿くことを推奨しているメーカーやブランドもあるが、普通は糊を落としてから穿き始める

大抵、洗うと糊で固まっていた分が縮む。

 

そもそもなぜ糊がついているかというと、裁断・縫製をしやすくするためだ。

分厚い生地から効率よく服を生産するためには、糊で固めたまっすぐの状態であることが望ましい。

で、かつてはデニムを出来上がったそのまま出荷しており、その名残でリジッドデニムは今も店頭に並ぶ。

 

ちなみにリジッドデニムの中でも、防縮加工がされていないものだけ生デニムと呼ぶ。

生デニムとリジッドデニムの違い、知ってる? | ライトオンデニム

 

ワンウォッシュジーンズへの移行

その昔、日本でデニムが売られ始めた頃、固い新品のリジッドデニムは日本では好まれず、米軍の古着ばかりが売れていた。

それを見た日本のデニムメーカーは「自前で一回洗ってやれば、穿きやすくなって売れるのでは」ということで、新品のデニムをドンドン洗うようになる。

こうして、今現在多くの人が手に取るデニムは一度以上洗いがかけられるようになった

柔らかく、縮みを気にする必要もない、多くの人が普段手に取るデニムだ。

こちらはリジッドに対してワンウォッシュリンスなどと表記される。

 

この経緯を見ると

「最初からワンウォッシュでよくね?」

という疑問は当然だ。

だけど、リジッドデニムならではの利点もきちんと存在する。

 

 ※日本におけるデニムの流れはこのAMETORAから参照。

www.sfg.blue

 

 

リジッドデニムの利点

糊が付いた状態ならではの利点がいくつかあり、それは手が加わっていないことデニムが色落ちしていく生地であるということの二点が深く関わっている。

 

安い

リジッドデニムは安い。

洗いという行程が抜けているから当然だ。

逆に色落ち加工を施したようなものは値段が高くなる。

(安い)リジッド<ワンウォッシュ<加工(高い)

と言った具合だ。

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リーバイスUSAシリーズ第二弾の511

リーバイス® オンラインストア

 

上記画像、左はリジッド、右はワンウォッシュのものだ。

同じ型のデニムでも2000円ほどの差が出る

 

デニム特有の色落ちのため

デニムは長く穿いていると色落ちする

革製品や木工品などと同じように、デニムも長く使うことで経年変化するのを楽しむ側面もある。(デニムは完全に劣化の一途だけど)

当初買ったばかりの姿と、色落ちして変わり果てた姿を比べて「変わったな〜オイ」などと年月の経過を測るには、穿き始めは出荷状態であるのが好ましい

 

また、リジッドのまま洗わずに穿くと独特なアタリがつき、バキバキと形容されるような特有の色落ちをする。

そのキツいコントラストを表現するためにわざわざリジッドのまま穿く場合もある。

 

 A.P.C.やヌーディージーンズなどはリジッドデニムを洗わずに穿くことを推奨している。

 

リジッドデニム特有の質感

例えばワイシャツなんかを糊付けしてパリッとさせるのは、

「シワがあるとみっともない」

というような、見た目の理由であって決して着心地がいいからではないだろう。

 

デニムの場合は、洗った後にわざわざ再度糊付けは通常はしない(する人もいるけど)。

デニムを一回洗ってしまったら、縮んだり捻れたりしてしまうし、そうなった以上いくら糊付けをしたところで”リジッドデニム”には戻らない不可逆性がある。

だから、リジッドデニムの質感…ハリがあったり、光沢があったり、色に深みがあったり…を維持するためには洗わずに穿き続ける他ない

 

楽しいから

まあ身も蓋もないんだけど総合すると楽しいからってことになるよね。

なんかどうでもいい道具とか手入れするの好きじゃない?趣味のもののメンテナンスとかさ。

ああいう「うまく扱わないとオシャカになっちゃうギアを俺は使いこなしてるぜ」みたいな感じに没頭するのって楽しいわけよ。

よく分からずに手を出して、失敗したりして、それはそれでいいんだけど、2個目3個目となるとコツや感覚を掴んできて、不自由なく扱えるようになっていく楽しさって、デニム以外にもいっぱいあると思うんだよね。

リジッドデニムはあくまでそのカテゴリの一種じゃないかなと思うのだ。

 

おすすめのリジッドデニム

最初に買うリジッドデニムは

・安い

・同じものを買っている人が多い

・ブランドのケアが行き届いている

…といったデニムがいい。

 

精神的に楽で、困ったら情報がすぐ見つかって、ユーザーの声が反映されているデニムのほうが、後々困らない。

 

Levi's 501 STF

 

www.sfg.blue

 

ジーンズをたどればリーバイスに行き着く。

縮んでフィットするという意味のシュリンクトゥフィットの仕様が残っている501STFは、リジッドデニムの楽しさをしっかり味わえる。

この501は世界で一番売れてるんだから世界で一番いいジーンズに決まってるだろ。(一番売れてるというデータはない)

 

ユニクロ セルビッジデニム

www.sfg.blue

こちらは廃盤になってしまっているが、メルカリやリサイクルショップなんかに新品が出回っていたりする。

とにかく安く、リジッドデニムを体感できる。

扱いに苦労するということも無いだろう。

 

RESOULT 710

リゾルトのデザイナー林氏の口癖である「たかがジーパンや!」

たかがジーパンや!

折れシワや青々とした色落ちなど、生活していて普通についてしまったクセ、ちょっと不本意な色落ちを全部「アジ」と捉えるリゾルトのデニムに、失敗という概念はない

ただ、リゾルトはリジッドのまま穿くようなジーンズでもないので、糊は落としたほうがいいと思う。

 

リジッドデニムは買うべきなのか?

結論から言うと、「べき」ではない。

リジッドデニムを選ぶ必要なんて全く無い

 

これを読んでいるお前が何のために服を着るのかは知らないけど、リジッドデニムを選んで得をするということはおそらくない。

リジッドデニムだとモテるということは無い。

リジッドデニムが必要なTPOも無い。

リジッドデニムがいい着心地を提供することも無い

 

デニムをリジッドのまま穿くなんてのは完全に趣味の領域だ。

おそらくほとんどの人は、〈これを着るだけで女子ウケ抜群TOP10!〉とか、〈ユニクロのジーンズでエレガントに見せる着方をこっそり紹介!〉とか、そういうのを見ていたほうが、コスパが良いし最速でオシャレになれる。

 

「そんなTOP10とかくだんないよ!もっと面白い服を僕は着たいんだ!」

というような、面倒くさいことや時間のかかることをわざわざしたいという場合のみ、リジッドデニムをオススメできる。

 

ただ、一度リジッドデニムを買ったら、次に買うデニムもリジッドになるだろうけど。

 

www.sfg.blue

 

[最終更新:2018/11月6日]