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クレッタルムーセンとアウトドアの境界線


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クレッタルムーセンをつい買ってしまった。

登山用品店で見かけて以来ずっと気になってたんだけど、やたら高いし手を出せないでいたこの数年間。

欲しいけど必要ではないというか、登山に使える機能ではないから見送ってたんだよね。

 

そうこうしているうちにクレッタルムーセンのブランドイメージがリニューアルされ、取扱代理店も変わり、やたらミニマルな感じになってしまってからは別に注目もしなくなったんだけど、メルカリやヤフオク、中古ショップに旧型のアイテムが結構売られていることに気づいてしまってからはちょくちょくチェックしてしまうようになり、ついに最近買っちゃった。

 

コストパフォーマンスで考えると無駄はなくなっていく。

機能に特化していけば余計なものが削ぎ落とされていく。

だけどそういう無駄な部分こそが面白かったりするわけよ。

 

KLATTLERMUSEN(クレッタルムーセン)について

www.barriojapan.com

クレッタルムーセンは1984年にPeter Askulv(ピーター・アスカルブ)によって創業されたスウェーデンのブランド。

 

バックパック、ウェア、小物など、ハイクオリティなアウトドア用品がメイン。

何かが斜めに傾いていたり、追加パーツがないと一気室のバックパックだったり、クセの強いアイテムが多い。

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旧ロゴ



2016年にはブランドイメージを一新し、フラットでミニマルなデザインになった。

しかし、前社長(ディレクターとかの立場なのかな?よくわからない)であったピーター氏の思惑は、むしろ旧アイテムにこそあると思う。根拠は無いけど。

 

Einride Jacket(エイナリーダジャケット)

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英語ではアルファベット読みに準じてエインリデと読む。

ちなみにスウェーデンの地名でGöteborgとあるのを日本語で書くとイエテボリだったりヨーテボリだったりする上に英語ではゴッセンバーグと呼ばれているし、北欧の言語は結構表記が揺れる。

ここではエイナリーダで統一していく。

 

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KLATTERMUSEN-Einride Jacket

 

斜めのフロントジップや三角形の山ネズミモチーフがアイコン的。

フロントジップが斜めなのは開け閉めの操作をしやすくするためだし、独特なカッティングはボディラインに合わせたものだ。動きにフォーカスしたアウトドアデザインらしさとも言える。

 

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綿なので、ジーンズなんかのように縮んでヨレてアタリがついて色落ちしていく。

高密度に織られた生地は普通のシェルジャケットのような感触。

 

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フラップが二重になっており、悪天候でも視界を妨げないフード。

ドローコードも操作しやすいデザイン。

 

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エマージェンシーコンパスとホイッスルが付属するベルト。

無線やカメラ、地図などを留めておける。

 

ちなみにこのコンパスは中古ということもあり磁北の逆転現象が起きてしまっている。使う機会もないから別にいいんだけどさ。

コンパスについて - 好日山荘 ガイドコラム

 

 

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クレッタルムーセンにはMassFlow Resistanceという独自の防風と透湿の指針がある。

MFRの数字が大きいほど、風を防いで熱を逃がす。

このエイナリーダは気温が低いほどその効果を発揮するようだ。

Mass Flow Resistance (MFR) EN 

 

Kvaser Hoodie(クバサーフーディ)

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薄手のフーディ。こちらもオーガニックコットン100%。

 

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KLATTERMUSEN-Kvaser Hoodie

起毛などもされていないため保温の効果はあまりなく、防風や対冷気の面が強い。

温めるためではなく冷やさないためと言った感じかな。


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フードにはエイナリーデと同じドローコード。

首元を丸々覆うタイプ。

ドローコードが通る生地は伸縮せず固いため、絞れば擬似的なフラップができる。

 

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袖には親指を通せる。

俺はこの親指通しはあんまり使わないんだよな。

 

着た感じ

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170cm-60kg: Sサイズ

 

袖口のカッティングは手の甲を覆うように非対称になっていたり、生地の性能だけでなく服の形としてサポートが行き届いている。このディティールは同じく北欧ブランドであるホグロフスやフーディニ、ノローナにも見られ、なにがなんでも手の甲をガードしてやろうという強い意志が見られる。

エイナリーデのフロントジップは斜めに配置されているが、止水ジッパーなので手放しに開けやすいとは言えない。クバサーはブロックジップの相性もあってすごく開けやすいんだけどね。

若干緩めなのは北欧サイズのせいなのか、もっとタッパを付けなさいということなのか…でも中にインサレーションなんかを着込むならばジャスト。

 

どこからがアウトドアなのか

例えばエイナリーダについては、オフィシャルからして「綿製だから防水についてはあんまり期待するな」という姿勢で、これが登山用品店に置かれていると、機能に対する値段について疑問を持ってしまうのも当然だ。

Etaproof® OrganicCotton 200g/m2を採用しており完全な防水ジャケットとはいえないまでも多少の雨や濡れには充分な対応ができるファブリックを採用しています。

Einride Jacket【エイナリーダ ジャケット】Klattermusen

 

クレッタルムーセンのウェアは決して登山のパフォーマンスを最大限まで高めるためのものではない

しかし、自然環境に身を置くと、クレッタルムーセンはよく馴染む。

それは自然を楽しむデザインであり自然を楽しむ機能だと解釈できる。

 

過酷な環境で快適に過ごすためのプロダクトに必要なのは、決して透湿防水だとかストレッチが効くとか限界まで軽いとか、そういう登山に求められるベクトルだけではない。

デザイン、使い勝手、耐久性、これらが総合されて「快適」となる。

クレッタルムーセンの「快適」は、厳しい自然の中に身を置くということをポジティブに捉え、そうした環境を楽しむためのアプローチではないか。

 

だからこそ土壌に影響を与えにくいオーガニックコットンでできている。

リサイクルポリエステルを作るのに海に沈んだ漁網とかを回収したりする。

そういう製法なので商品の値段が異様に高い。

そのへんはヌーディージーンズのフィロソフィーとも一致する所。 

www.sfg.blue

 

クレッタルムーセンは「玄関開けたらアウトドア」な状況でこそ力を発揮する。

これをレインウェアにして登山をするのはかなりしんどくて危険だとは思う。

しかし、自然由来のオーガニックコットンでできているシェルジャケットは、自然に身を置く人が毎日のように袖を通すデイリーウェアとしてかなり理想に近い逸品ではないかな。