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遺産相続

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赤井「なあ、金ジイは宝物って持ってるか?」

金次郎「宝物?どうしたんだ急に」

黒田「最近学校で宝物バブルなんだよ」

赤井「刻印ミスの牛乳キャップとか、でっかいネジとかメッチャ高騰してるんだぜ」

黒田「龍ジイにもらったチョコも昨日暴騰したんだ」

金次郎「人があげたものを売り抜けようとするなよ」

 

 

金次郎「宝物ねえ...あいにくだが、今は特にないなあ」

黒田「なんだ、つまんねーの」

赤井「金ジイの家、でけーから金目のものとかありそうなのにな」

金次郎「ハッハッハ。こりゃまいったな。よし、じゃあ一つ宝の地図を描いてやろう」

 

 

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金次郎「これは俺の家だけど、この矢印のとおりに入れるようになっている。で、ここにお宝がある」

 

金次郎「それでな、もし俺が死んだ時には誰よりも早くここにあるお宝を助けてやって、お前らで使ってほしいんだ」

赤井「え?マジかよ!」

黒田「高騰するかもしれないのに使っちゃうのがいいの?」

 

金次郎「そう。使ってやることに価値があるんだ。カネなんかよりもツルハシやジーンズ、実際に食べれるチョコのほうがよっぽど大事だ。よく憶えておけよ?」

赤井「オッケー!よくわかんないけどわかった!」

黒田「金ジイ、約束だかんな!」

 

 

...

 

 

10年後

㈱藍沢ゴールド商事 会長、藍沢金次郎 死去、享年134歳

 

 

...

 

 

同日正午、金次郎邸にて

 

 

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赤井「よし、葬儀場に行くバスが出た。これで家はもぬけのカラだ。今しかねえぞ」

黒田「ああ、マジでやんのか...」

 

 

赤井「だいたいお宝って一体何なんだろう」

黒田「骨董品とかだろうな。金ジイ、134歳だったんだし」

赤井「いつも汚いジーパンとか古そうな服を着てた記憶しかないけどな」

黒田「格好はボロボロだったけど家がでけーから金持ちっしょ」

赤井「財産目当ての遺族とか会社の連中には渡したくない物なのかな」

黒田「そうじゃない? ”しっかり使え”って頼まれたんだからやるしかねえって」

赤井「だとしても普通に窃盗だからなあ...」

 

 

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葬儀中は盗難に遭いやすいのでしっかり戸締まりをしよう!

 

 

...

 

 

同時刻

藍沢ゴールド商事−経理部

 

 

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経理部長「よし...会長の訃報での株価の下落は止まったようだな」

 

経理部長「俺は今から葬儀に出て会長の資産を取り押さえるために交渉してくる」

 

経理部長「実は会長はゴールドラッシュの頃にアメリカにいて、そこで得た金貨を担保に会社を興したらしいんだ。その貯め込んでる金貨を会社に回して、次のボーナスとしてみんなに配ろうと思っている!ブラック企業の汚名を返上する時だぞ!」

 

社員A「マジっすか!流石っす!」

社員B「部長!一生ついていきます!」

 

経理部長「(フッ...上も馬鹿なら下も馬鹿ばかり...ここでカネをばら撒き人心掌握して、すぐに会社を乗っ取ってやる...)」

 

 

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金の取引価格は2017年1月現在、1グラムあたり約5000円だ!
高騰したおかげで盗難や密輸密売が多発しているからみんなも気を付けよう!

 

 

...

 

 

同時刻

古着屋イリーガルバッドガイ

 

  

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古着屋店員「店長!この新聞見てください!ゴールド商事の会長が亡くなったんですって!」

古着屋店長「どうしたどうした、それぐらいで大騒ぎして」

店員「このジーサン、リーバイスができた当時のアメリカにいたとかで、ヴィンテージジーンズをしこたま持ってるって目撃談があるんですよ!」

店長「なに...?134歳!?なんてジジイだ」

店員「全部買い取って一儲けしましょうよ」

店長「そうだな、すぐにこっちから乗り込もう。遺品整理を手伝う感じで、安く買い叩いてやるか」

 

 

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田舎の大家の遺品整理はレア物解放サービスデーだ! 急げ!

 

 

... 

 

 

金次郎邸

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赤井「しかしあのジジイこんな雪の日に死ななくても」

黒田「滅多なこと言うんじゃねえよ。罰当たるぞ」

 

 

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黒田「この窓がいつも鍵が開いてるって書いてあるけど」

赤井「うん。侵入できそう」

黒田「でもこの雪まみれでずぶ濡れのズボンだと流石にバレない?」

赤井「そうだな...。ここで靴とズボンは脱いでいこう」

 

 

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赤井「この部屋か?」

黒田「地図ではここなんだけど...なんだこれ。ジーパンばっかじゃねえか」

赤井「ちょうどいい。捨ててきたズボンの代わりにジーパンをもらっていこう。これだけあったら一個くらいなくなってもわかんないだろ」

黒田「でもなんか悪いから一番ボロボロのやつにしておこうぜ」

 

 

赤井「おいちょっと待ってくれ」

 

 

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赤井「これ...ポケットからでてきたんだけど...」

 

 

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黒田「こっちもだ...」

 

 

赤井「隠しておくんじゃなくて...」

黒田「いつも持ち歩いていたんだ...」

赤井「お宝ゲット!」

黒田「逃げろ!」

 

 

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ハァ…ハァ…

 

 

黒田「早く逃げろ!みんな葬儀場から戻ってくるぞ!」

赤井「わかってるよ!滑るんだよ!」

 

 

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店員「店長、今のガキ、ふたりとも1880年代のヴィンテージっぽいジーンズを穿いてませんか?」

店長「ガキ?どうせレプリカだろ?本物だったら1本で1000万円くらいするぞ」

店員「そうっすね...ありえないですよね...まさか盗んだりしてないですよね...」

 

 

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世界一古いジーンズは150,000ドル、当時の日本円にして約1200万円で落札されたんだ!
「古着屋探せばあったりして」とか思ったキミ!古本のせどりのほうがまだ儲かるぞ!

 

 

...

 

 

金次郎邸

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三代目社長 藍沢(孫)「お足元の悪い中ありがとうございます。どうぞ祖父にご挨拶を...」

 

 

店員「こんにちは、この度はお悔やみ申し上げます」

店長「古着屋イリーガルバッドガイと申します」

三代目「わざわざありがとうございます」

 

 

店長「私共ですが古着屋をやっていまして、ご主人が非常に質の良いお洋服の持ち主だとお聞きしたもので、遺品整理の助けになれればと思い、伺いました」

三代目「そうですか。ちょうどよかった。祖父の遺した古そうな服がたくさんあるんです。ぜひ見ていってください」

店長「恐縮です」 

 

 

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三代目「ここです」

店長「ほう...几帳面ですね。年代別に並んでいる...けど...」

 

店長「(おい!話と違うぞ!ただ古いだけじゃねえか!値段がつくようなものが一個もないぞ!)」

店員「(嘘だろ?知り合いの話だと1900年以前の正真正銘のヴィンテージがあるはずなんですが...)」

三代目「あれ?ジイさんが特別大事にしていたやつが2本なくなってるぞ」

店長「え!どんなものですか?」

三代目「なんか、めちゃくちゃ古いものなんだ、アメリカから持ち帰ったんだ、っていつも自慢してたんですけど」

店長「それって...」

店員「やっぱり...」

 

 

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店長店員「表にいたあいつらだ!」

 

 

店員「今ならまだ追いつけるはず!」

店長「藍沢さん!すいません!またすぐ来ます!」

 

 

三代目「あ、ちょっと!」

三代目「行ってしまった...」

 

 

ガチャ...

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経理部長「社長、この度はお悔やみ申し上げます。今走って出ていったやつらがいましたけど大丈夫ですか?」

 

 

三代目「おお、すまんね、会社の方を任せちゃって」

経理部長「ところで社長、遺品整理ってもうしました?」

三代目「いや、あの、ちょうど今しようと思ってたんだがね」

経理部長「その遺産は会長が作った負債の返済に当てましょう。それで会社の体制を立て直すんです。会長のことは残念ですがここが踏ん張り所です」

 

 

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三代目「いやね、古着屋だって人がさっき来てたんだけど、どうだろう?」

経理部長「会長の洋服ですか?あんな古くてボロボロのものは流石に売れないでしょ」

三代目「う〜ん...確かにそうかもね〜」

 

 

経理部長「ところで社長、金次郎会長...お爺さんって、金貨持ってましたよね?」

三代目「う、うん」

経理部長「その金貨で会社の負債を返済するのがスジじゃないですか?」

三代目「いや実は...いつも祖父が大事にしていた金貨が入っているはずの箱がなくなっているんだよ」

経理部長「え!...もしかして走って出ていったのって」

三代目「それが...さっきの古着屋なんだよ」

経理部長「あいつらの仕業だな?警察に連絡します!社長は関係者に説明を!」

三代目「わ...わかった...」

 

 

... 

 

 

黒田「ハァ、ハァ、ここまでくればもう大丈夫だろう」

 

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赤井「この金貨ってどうしようか」

黒田「メルカリに出してみる?」

赤井「いや、メルカリはそういうの駄目だから」

 

 

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ゴッ 

バキッ

 

 

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ドサッ

 

 

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店長「すごい...リベット、シンチバック、タグ、オーバーオールボタン、スレーキスタンプ、生地の感じ...写真で見てきた1880年のリーバイスXXオーバーオールそのものだ」

店員「へッ、やりましたね」

店長「まさか日本にゴールドラッシュの生き残りがいたとはな」

店員「2本で2000万円かぁ!スゴイなあ」

店長「いや、これを持ってるだけで店の価値はうなぎのぼり、それ以上の価値が生まれるぞ...」

 

 

ナギ「あれ?検問ですかね?」

 

 

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刑事「あーすいません警察です。ちょっと近所で盗難があって、取り調べさせてもらってます。ご協力願えますか?」

店員「あ、はーい」

 

 

店員「(店長!ヤバくないですか!)」

店長「(落ち着け!警察にジーンズがわかるもんか!)」

 

 

刑事「ちょっと中を見せてもらいますねー。ん?この血の付いたバットは?」

店員「そ...それは...」

店長「ト、トマト祭りに参加していたもので...ハハ、恥ずかしい」

刑事「あ、そうなんですかー」

 

 

店員「と...ところで盗まれたものって何なんですか?」

刑事「いやそれが不思議な話でね、金貨らしいんですよ。私なんか本物をまだ見たこともないんですけどね」

店長「あ!そうなんですか!なんだ〜!早く行ってくださいよ〜!」

 

 

刑事「おや、こちらのジーンズ...随分古そうですね」

店員「あ、え、ち...ちょうど捨てようと思って置いておいたんですよ」

店長「え...えっと...まさか...ジーンズとかお好きなんですか?」

刑事「いや、よく知らないですけど。一応決まりなんで。ちょっと拝見させてもらいますね」

店員「え...ええ。どうぞ」

 

 

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ザラザラザラ…

 

 

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経理部長「なに?金貨が見つかった?わかりました!すぐ向かいます!」

 

 

経理部長「警察で確認してきます!」

三代目「お、お〜う。よろしく〜」

 

 

三代目「行ったか...やれやれ...」

 

 

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三代目「どいつもこいつもバカばっかり...この俺に使われているとも知らずに」

 

三代目「警察では金貨を盗んだ奴らが隠したということになるだろう。残念ながら一生出てこないさ。なぜなら最初からこの部屋にあるんだからな」

 

 

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三代目「これで俺のアリバイはできた。ジジイがずっと抱えてた金貨も堂々と換金できるわけだ」

 

 

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三代目「ジジイの財産を狙ってるのなんか目の色見りゃあわかるんだよ。ま、そうやつほど騙しやすいのさ」

 

 

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三代目「会社の経営とか関係ないね。汚いジーンズなんかどこに行ったっていい。この金は俺のもの。潰れかけの会社も上手くたたんで、全部遊ぶ金にしてやるからな...」

 

 

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三代目「これチョコじゃん!」

 

 

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経理部長「これチョコじゃん!」

 

 

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経理部長「何だこれは!チョコじゃねえか!本物の金貨はどこだ!」

 

 

刑事「容疑者はたまたま拾ったジーンズのポケットに金貨があったと主張していますが」

経理部長「たまたま?嘘に決まってるだろ!どこかに隠したはずだ!」 

刑事「いやーなんというか、まだ彼らも容疑者ですので」

経理部長「だったら早く捜査を進めろ!どこかに金貨があるはずだ!」

刑事「はあ...あなたねえ、ご遺族が聞いたらどう思うことやら」

 

 

プルルルル

刑事「あ、すいません。ちょっと電話取ります」

 

 

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刑事「はい」

 

 

警察官「もしもし!刑事!藍沢邸でまた盗みだそうです!」

刑事「また?」

警察官「金貨がチョコにすり替えられたそうです!」

刑事「いや、チョコはこっちにあるけど」

 

警察官「おかしいな...故人のお孫さんがチョコにすり替えた犯人を探せってメチャクチャ怒ってますが」

刑事「なんで孫までキレてるんだ?まだすり替えの話は行ってないはずだけど」

警察官「いや?家の金庫にあるはずの金貨がチョコになってたと言っていますが」

刑事「家?その金庫の金貨が盗まれて既に署にあるんだろ?」

警察官「???」

刑事「ちょっと一旦関係者から聞き込みして整理していくか」

警察官「えぇ〜、面倒だし早く誰か逮捕しましょうよ」

 

 

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刑事「...今いる古着屋の二人は窃盗容疑、ゴールド商事の経理部長は業務執行妨害、孫の三代目社長は相続税脱税の疑いで全員現行犯逮捕でいい?」

警察官「そうこなくっちゃ!オッケーです!」

刑事「...じゃあ俺は孫を逮捕しに行くから。あとは頼んだ」

 

 

刑事「ハァ〜...今日は一体なんだって言うんだ」

 

 

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刑事「あ、この汚いジーンズ、取調室持ってくの忘れちゃってたな」

 

 

 

黒田「イテテテ...ハッ!」

 

 

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黒田「おい!起きろ!おい!」

赤井「う〜ん、あれ?お前ズボン穿いてないじゃん。どうしたの」

黒田「お前もだよ!」

赤井「うわマジだ。どうしよう...これじゃ外歩けないじゃん。帰れないじゃん」

黒田「それどころじゃねえだろ。金ジイのジーパンが盗まれちまった!」

赤井「開き直って警察呼ぶか?」

黒田「でも俺達も一応ドロボーだぜ?バレたらアウトだぞ」 

 

 

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赤井「おや、呼んでもないのにパトカーが...」

黒田「終わった...」

 

 

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キッ

 

 

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刑事「ハァ〜...なんなんだ今度は露出狂か?逮捕か?」

黒田「いや、これはですね。違うんですよ。不可抗力というか」

赤井「そうなんですよ。いきなり殴られて。ズボン脱がされて」

刑事「うるさいうるさい。そんな話は聞きたくない。俺は今時間がないんだよ」

 

 

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刑事「ハァ〜...まあ、いっか」


 

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刑事「ほら、これ着て、もう行け」

 

 

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赤井黒田「え?」

 

 

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刑事「今忙しいんだよ。それお前らにやるから。次露出したらマジ逮捕だからな」

赤井「は...はぁ」

黒田「なんかすいません」 

 

 

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赤井「あれ、ポケットの金貨がない」

黒田「もういいじゃん。この汚いジーンズだけでももらっとこうぜ」

赤井「まあ、金ジイが大事にしてたものだし、捨てられるよりマシだな」 

黒田「そう、使っていけばいいんだよ」

 

 

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出演

赤井:俺

黒田:俺

経理部長:俺

古着屋店長:俺

古着屋店員:俺

三代目社長(孫):俺

刑事:俺

 

撮影:俺

 

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外で着替えたりしたから風邪をひいたぞ!みんなも気をつけよう!