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HiGH & LOW THE MOVIE ...荒唐無稽でリアルな虚構

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なんかハイローがヤバイみたいなことはちょくちょく聞いていたし、機会あればみてみよっかな〜みたいな。

なんか予告編で見る限り邦画のエグミもなさそうだし、アクションだけはすごそうだし、いいんじゃない?みたいな。

でもどうせおなじみのテレビ総集編、ドラマ見てた人へのご褒美おまけムービーなんだろ?みたいな。

エグザイルメインってことだしかっこいい人がかっこいいアクションをしてればそりゃーある程度は面白いだろうけど、どーせそれだけのやつでしょ?みたいな。

 

まあそんな感じでHiGH & LOWはスルーしてたのよ。

ドラマをイチから見るのもしんどいし。

とか思ってたけど呑気だったな〜俺は呑気だった。

 

今こんなブログを見てるやつはすぐHulu登録してザ・ムービーみろ!

なぜかって?

二週間は無料だからだよ!

 

Huluは登録してから二週間は無料だから!

とりあえずみて「あのブログのやつなんか言ってたけど結局クソじゃん」ってなるならそんでいいだろ!

俺は今の今までハイローを放置していたことをすご〜〜〜〜〜〜〜く後悔している!

ちょっとでも興味があるなら、みとけ!

 

www.happyon.jp

あらすじ

予告でも見とけ!正直俺もよくわからん!なぜならドラマを見てないから!

www.youtube.com

 

まあ、正直脚本のアラとか、回想が冗長とか、そういうツッコミどころはあるよ。テレビの総集編+ダイジェスト感も否めないのも事実。

でもそんなの些細な事だから! 

肝心なことはHiGH & LOW THE MOVIEがブチ上げお祭り映画であり、気持ちよくアガらせてくれる要素が満載だということなんだよ!

 

テーマ

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映画全編を通して「変わっていく者と変われなかった者」が基本的なテーマとなっている。

そしてそれをストーリーテーリングや画面の構成として上手に見せてくれるのだ。

そもそもこういう半グレ系の映画って欧米では青春ギャングもの、アジアでは格闘アクションもの、最近ではワイルドスピードみたいにずっと人気のあるジャンルなんだけど、その全部を内包してるからマジでヤバイ!

 

海外ギャングものとかは何人かでチームを組んでガッと成功して盛り上がった後に、膨れ上がった金や力を操作しきれずに、裏切ったり自滅したりして、「盛り上がってたあの頃に戻れないものかね...」みたいな寂しいストーリーが多い。

逆にアジアとかでは「金で魂は絶対売らないぜ」みたいな考えが根底にあって、金に目がくらんだやつらが地元やその象徴を奪おうとするのを仲間で抵抗するとか、そういう話運びがメインになっている。

 

じゃあハイローはどうかというと、海外ギャングもののエンディングをやりながら、アジア格闘アクションが同時に進行していくわけよ。

変わっていくことは善か悪か、仲間を大事にするっていうのはどういうことか、みんなが望む新しい勢力に、古臭く望まれてない既存の勢力はどう対抗していくのか、そういう話なのよ。

この骨組みが想像以上にしっかりしているから、ストーリーが荒唐無稽でもしっかりついていける。

そういう基礎の部分からきっちり作り上げられている映画なのだ。

 

背景にある、カルチャー抗争

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もちろん単体で見るとコスプレに見えなくもない人たちばかりなんだけど、同じテイストの集団がズラッと並ぶと、なんとなく説得力を持ってしまう。

アメコミシリーズ全員集合とか、戦隊シリーズとか、まあマッドマックスとかスター・ウォーズとかも含めるとして、衣装と舞台がしっかりしていて、そういうキャラクターがテーマソングをバックに暴れたらもうそれだけで盛り上がるじゃない

 

「エグザイルって要はドンキにいるようなヤンキーの寄せ集めなわけでしょ?どいつもこいつも似たようなもんじゃない」

まあ、そうだね。間違っちゃいないよ。

その中でもチーム性がハッキリ示されていて、いそうでいない、いてもおかしくない集団として極めて映画的に描かれている

何を軸にするか、どこに向かっているのかがきちんと画面に反映されているから、パット見はヤンキーの寄せ集めに見えるけどそれぞれ別の行動原理で動いているということがひと目で分かるのだ。

 

SWORDのチームとして採用されているのが90年台、00年台のファッションカルチャーで、それぞれ

山王連合会...アメカジ+バイク

ホワイトラスカル...ホスト+お兄系

鬼邪高校...ヤンキー+グランジ

ルードボーイズ...モッズ+ヒッピー

達磨一家...和風+ギャングスタ

がルーツにある。

 

ドラマとかでは敵対していたらしいこのSWORD各チームが、雇われ戦闘隊のマイティーウォーリアーズと衝突するっていうのがこの映画のストーリーの一部なんだけど、そのマイティーウォーリアーズはラグジュアリーストリート+ハイプキッズとして描かれている。

あと全身黒スキニーで黒ずくめのダウトって集団もいるんだけどあれはモブだからいいや。

人数が多いだけで雑魚だから。

 

この日本の古臭くてちょっと遅れてる感じ(SWORD)とイケイケの新勢力(マイティ)のカルチャーの対立構造はまあリアルだし、バックに金とか有無を言わさぬ権力(九龍)がいるというのもなんとなく分かる話だ。

もちろんハイプはハイプでカルチャーとして成立しているし、国籍豊かな感じとかはそれはそれでかっこいいわけよ。

じゃあそれを野放しにして好き放題させるのか、というと話は変わってくる。

 

「スジを通す」って言う考え方は古臭いかもしれないけどやっぱ大事なんだな〜とか思うのよ。

どのような人にもどこかで自分の領域を守らなければいけないラインがあり、それを超えてこようとする外敵には抵抗しなければならないのだ。

 

古くなったものを再開発して、最新で人気でみんなが好む方向によせていけばすごく楽しいし金にもなる。

しかし、頑なに自分の信念を持ってスジを通していこうとする男たち、それがSWORDの根幹をなしているのだ。

 

荒唐無稽な虚構がリアルさを纏っていく

ファッションや小道具の統一もそうなんだけど、映画が全編を通していい意味でマンガ的な表現で溢れているところはとても重要だ。

 

アクション・格闘シーンも迫力があってすごいというのは公式も、批判している人さえも認めるところだ。

アクションカムを使った距離の近い画があったり、集団戦を寄ったり引いたりしながら全体をロングカットで撮っていたりと、カメラワークのアイデアも満載だ。

もちろんそれに見合う、高い身体性を活かしたアクションも一級品で、ファイトスタイルもチームごとの色が出ていている。

これらのアクションシーンに面白みと説得力が同時にあるのは、少年マンガ的表現の文脈に則っているところが大きいと思う。

肉体と文脈を兼ね備えているから、スゴい。

 

その一方、裏で進行しているストーリーが、政府と癒着した暴力団によるカジノ計画だったり、先ほどのカルチャー抗争だったりというように、モチーフやメタファーは現代日本を大きく反映しているし、そこで戦っている人たちを鼓舞している

だからこそリアルな息遣いが感じられるし、こちらの拳にも力が入ってしまう。

 

話のピントは、つぶれかけて這いつくばっている人に合っている。

どうやって這い上がっていくのか。

そこにHiGH & LOWというタイトルが効いてくるのだ。

 

 

補足...ハイロー世界の時系列

わずか二年のうちに連打されるドラマ・映画がとにかく多く、一体どこからがスタートなのか?どれがオリジナルでどれがスピンオフなのか?最新で盛り上がっているのはどれなのか?というのは俺もすごく気になっていたところだ。

 

今現在はなんだかんだ

・ザ・ムービー

・レッドレイン

・ファイナル・ミッション

を見たんだけど、今のところ全部が全部スピンオフじゃね?って感じだから、ザ・ムービーから見ていくのが時間もかからないし、いいと思うよ。

 

放映順

1.ドラマ シーズン1:STORY OF S.W.O.R.D.(2015.10~)

多分話の大筋の本編。SWORD周りの小競り合い群像劇。

 

2.ドラマ シーズン2:season2(2016.4~)

多分話の大筋の本編。MUGENの頃の過去話も。

 

3.総集編:ROAD TO HiGH & LOW(2016.5~)

多分未公開映像とかをちょこちょこ出しながらの映画集客ムービー。

 

4.映画:THE MOVIE(2016.7~)

話の大筋の本編。琥珀さんを中心とした群像劇。

 

5.映画:THE RED RAIN(2016.10~)

雨宮兄弟メインのスピンオフ。おまけムービー。

 

6.映画:THE MOVIE 2 END OF THE SKY(2017.8~)

多分話の大筋の本編。

 

7.映画:THE MOVIE 3 FINAL MISSION(2017.11~)→上映中!

話の大筋の本編。おまけムービー。琥珀、雨宮兄弟、SWORD 対 九龍の対立構造。

 

ここでいうおまけムービーってのは回想カット入りがち、過去のしがらみを思い出しがち、自分語りしがち、多分ドラマを見てないと「なんだよ話進まねぇな〜」と思ってしまうだろうな、という意味で。

つまりそこまでの文脈、キャラへの偏愛がないと退屈かな〜という感じだ。

と言うか俺はぶっちゃけ退屈な部分が多かった。

いや、ファイナルは実際そうでもないというか「祭りじゃーい!!!!」みたいなところとか確かに盛り上がるんだけどそれまでがなんだかストーリーに説得力がなかったり、キャラの行動・言動があやふやだったりして正直微妙...でもあのシーンとかあのシーンとかは結構良かったんだけど...あ、ファイナルについてはなんか一回別で書くわ。

 

最後に 

一方女性ファンは割と「アガるしイケメンはかっこいいから見るけど、中2でヤンキーで意味分かんないよね」という大いなる愛を持った上で冷静な見方をされているようで、そちらの考察も非常に参考になります。必読。

HiGH&LOWとは何だったのか(新書風タイトル) | 浮かれカフェ - 楽天ブログ

 

 

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