無塩せきガソリン

SALT-FREE GASOLINE

MENU

あなたの知らない「最悪スキー宿」という世界

f:id:cte26533:20171121211220j:plain

 

以下はとある宿泊レビューサイトの抜粋である。

 

f:id:cte26533:20171121194703p:plain

 

 

f:id:cte26533:20171121195442p:plain

 

 

f:id:cte26533:20171121200005p:plain

 

宿泊比較サイトや観光レビューサイトを巡回していると稀に出くわす、投稿者の怒りがヒリヒリと伝わってくるような低評価口コミは、利用者の不安を掻き立てる。

 

俺はスキー場に行く時に宿泊レビューなどを流し読みしているのだが、ある時どんなエリアにも低評価がやたら集まる宿があるということに気づき始める。

そしてそれは規模や営業形態...ホテル、旅館、ペンション、ロッジ、ゲストハウスを問わないので、口コミを読むまでは予測ができないのだ。

ブログやレビューサイトでもそうした宿の情報は共有され、去年だかにはスキーの雑誌に特集まで組まれてしまっている。そしてそれは自然発生的に(多分2ch発祥)「最悪スキー宿」としてその名を轟かせているのだ。

どのようにしてこのような「最悪スキー宿」ができるのか、どうすればこうした宿を避けて快適な休日を過ごせるのかを、考えていこう。

 

トリップアドバイザー

素直な口コミといえば聞こえが良いが、とにかく直截な物言いが目立つのがトリップアドバイザーの魅力だ。

最悪宿初心者の方はこちらのレビューで思い思いの観光地を検索してもらい、評価が著しく低い施設を探して欲しい。

もはや読み物として昇華されている低評価レビューの世界観にとっぷり浸かっていると、だんだん感覚が麻痺して癖になってくるはずだ。

www.tripadvisor.jp

 

じゃらんや楽天のような比較サイトは各サイトを通して宿泊しないと口コミが投稿できない。一方でトリップアドバイザーはどのような形式で利用してもトリップアドバイザーに投稿できる。じゃらんで泊まっても、楽天で泊まっても、AirB&Bで泊まっても、ウェブサイトから直接泊まっても、スキーツアーで泊まっても、トリップアドバイザーには投稿できるのだ。だから、多くの口コミが集まるし、その中には心無いものも多い。

 

当然多くの人はこう思うだろう。

「自演できるじゃん」

「金で評価買えるんじゃね?」

「アマゾンやApp Storeの無法地帯ぶりと変わらない」

俺もそう思う。

一応、トリップアドバイザー側もそれに対するアンサーを用意している。どこまで本当かはわからないけど...

トリップアドバイザーにまつわる 10 の誤解 | TripAdvisor Insights

 

少なくとも、旅行は安くない料金と貴重な時間をもってなされるギャンブルだ。よっぽど心が動かない限り、わざわざレビューを書くということもないだろう。

高評価に不思議な高評価あり、低評価に不思議な低評価なし...といったところだろうか。

 

特徴

低評価コメントの特徴は概ね以下の通りだ。

・フロントや各種対応の態度が悪い

・食事がマズい、少ない

・風呂がぬるい、または熱すぎる

・部屋が汚い

・部屋の温度調節ができない(フロント一括管理)

・備品や貸し出し品が古くて手入れがされていない

・あるべき備品や貸し出し品が用意されていない

 

 

当然、宿泊者が希望するレベルとホテル側が用意できるレベルには差がある。

安い料金で一流ホテルの接客を期待するほうがおかしい。

しかし、「料金も安いしサービスは期待しないよね」くらいの気持ちで望むと、それに輪をかけてひどい実態が待ち受けている、というのが最悪スキー宿なのだ。

この、ホテル側のサービスが宿泊者の想像を下回ってしまう原因は一体何なのだろうか。

 

ツアー会社・宿泊比較サイト

「よし!最悪なスキー宿を運営するぞ!」と意気込んで宿をはじめる人はいないだろう。少なくともそうであって欲しい。

どこかでこの最低限のサービスが維持できない、または放棄してしまうようなラインがあるのではないか。

 

料金が生み出す歪み

こちらはとあるホテルで同日、同条件(一泊食事あり男性一人リフト一日券付き)でプランを指定、料金の見積もりをした結果だ。

 

オフィシャルサイトから予約した場合の料金と、

f:id:cte26533:20171121213038p:plain

 

ツアー会社から予約した場合の料金だ。

f:id:cte26533:20171121213200p:plain

 

直接予約が11,800円、ツアー予約が12,900円で差があるようにも見える。

ツアーを組んだ分の料金かな...?とお思いだろう。

 

実は、ツアー会社の方にはレンタル無料券が組み込まれており、用具一式...ウェアとボードかスキーをレンタルできるというオプションが付く。

まともなレンタルショップならどれほど安くても板だけで2000円程度はかかる、と考えるとようやくこの歪みがわかるだろうか。

当然、このような形式のレンタルでまともなものは出てくるはずもなく、数年前の廉価ウェアと手入れの行き届いていない板を押し付けられることになるだろう。

 

加えて、後者の12,900円の内訳にはツアー会社の取り分が発生する。

どういうことかというと、ツアー会社は部屋をホテル側から通常より安い価格であらかじめ買っているのだ。

するとホテル側は通常料金より儲けは減るが、客の確保ができる。

ツアー会社や宿泊比較サイトに集客を任せている...と言い換えることもできるかもしれない。

 

今回はマイカープランで設定したけど、これに行き帰りの交通手段なんかが加わるとツアーをプランニングする会社の苦労がうかがえよう。ホテル・レジャー・交通の確保とそれだけの集客を行わなければならない。

 

一方でホテルも、宿泊客が来ないと丸々赤字になってしまうため、利益率が低くても客は確保できた方がいい。

知名度や立地条件、規模、魅力で勝負できない宿はメディアで取り上げられたり宿泊客のネットワークで紹介されることもないので、集客をツアー会社や比較サイトに依存せざるを得ない。

そしてその中で注目を集めるためにも、安さで目立つしかなくなってしまうのだ。

 

ホテル側の気持ちになってみると、スキーツアーで申し込んだ客への風当たりが強くなるのがわかるだろうか。

ホテル側からすれば不当な料金で正規料金のサービスを受けようとしているようにも映るだろう。リピーターと同じ待遇をしたくなくなる気持ちも分からなくもない。

こうして、ツアー客は冷淡なサービスを受けることになるのだ。

接客に平等性を欠いているのはそれ以前の問題な気もするけど...。

 

従業員の問題

当然ではあるが、スキー宿は夏は閑散期だ。

もちろんトレッキングやキャンプなどで訪れる人は多いが、冬季に比べるとなんてことない。

となると、5月〜11月の閑散期と12月〜4月の繁忙期ができることになる。

この状態でうかつに従業員を雇ってしまうと、閑散期に余計な人件費がかさんでしまう。かといって、夏と同じ人数で冬の繁忙期を乗り切ることはできない。ではどうするか。

 

かつては「篭り」という制度があった。スキー・スノーボードを全力で楽しみたいという10代、20代がホテルの部屋を間借りし、食事をもらい、昼は滑り、夜は働く...というような雇用形態のことだ。いや、雇用というかグレーゾーンなのかな。

少なくとも、ホテル側は安い労働力を確保できたそうだ。mixiでやり取りを行っていたとも聞く。だから2000年代位までの文化なのだろう。

 

今はそういった自由人はめっきり減ってしまったようだ。

そもそもスキー・スノーボードの人口が減ったとか、稼ぐ手段を持てるようになったとか、不公平な雇用形態に対する意識が強まったとか、原因は色々ある。

 

その篭りありきで運営していた宿は労働力の確保するために人件費を強いられる。

もちろんこの人件費は最低限で抑えるようにする。

篭りの頃は無かったものだし、ツアーでの宿泊料金では儲けも少ないからだ。

すると、ふとしたトラブルで人手が足らなくなるし、繁忙期にはパンクしてしまうだろう。

すると、怒りのレビュー群に見られるような、宿の不手際が目立つような結果になってしまうのだ。

 

最悪スキー宿を減らすために宿泊者が出来ること 

とにかく、レビューサイトを確認して異様に低評価が多いところは避けるといったあたりか。

普通に検索して、ウェブサイトやSNS、ブログを確認できたら尚いい。

そして、安くすませようとガメツかないこと。適正なサービスには適正な料金が必要なのだ。

 

低評価を確認

→サイトを確認

→価格に遜色がないならできるだけサイトから予約...

が健全で外れない選択肢だと思う。

 

あと、少人数なら極力ツアー会社は利用しないほうが良いんじゃないかな。

値段で言うなら、リフトチケットは早割やクーポンの方が安かったりする。サイトからの直接予約だって遜色ない場合が多い。

個人でやっているペンション・ロッジなども、直接予約の方が宿側の利益も多く、喜ばれることもあったりするし。

 

価格で妥協できない

どうしても価格で妥協できない場合でも、ホスピタリティ面でしっかりしているところは探せば確実にある。

自然に囲まれている暮らしが好きなおっちゃんがやってるペンション...みたいなイメージかな。高級ホテルのような設備はなくとも、ユーザーのニーズが反映されていている必要最低限のアメニティと融通の効くサービス、そして距離の近いコミュニケーションは決して悪いものではない。

 

ツアー会社で申し込みたい

大人数で行く場合など、ツアー会社に任せざるを得ないという場合がある。

結局この場合も、指定の宿を一度トリップアドバイザーや口コミの検索などで確認することが望ましい。

ツアー会社によっては「宿おまかせプラン」などがあって、料金も通常より安かったりする。

「行ったことないから現地の感じもよーわからんし、これでええやろ」となる気持ちもよく分かる。ただ、自分が選択できる機会を放棄する以上、どのような宿が当たっても文句は言えない。

スキー旅行の思い出に楽しさを求めないというのであれば、オススメだ。

 

絶対にヤバイ宿は避けたい

料金で考えればいい。当然ながら高価格帯のホテルなんかに最悪宿はない。

その中でも、サイトが最新で、写真もきれいで、大資本がやっていて、部屋数も多くて…というように普通のいいホテルなら最悪宿の心配をする必要はない。

金を払っていいホテルに泊まろう。