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アトミックブロンド_全てを煙に巻く映画【ネタバレ無し感想】

アトミックブロンドが10月20日に公開された。

原作は「The Clodest City」というグラフィックノベルだ。

東西冷戦下のベルリンを舞台に、失われた名簿を取り返すために英国のスパイが共産主義側の東ベルリンに壁を超えて派遣される...という筋書き。

主人公ロレインを演じるのはシャーリーズ・セロン

監督はデヴィッド・リーチ

 

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映画「アトミックブロンド」公式サイト

 

 

冷戦とスパイ 

冷戦下ではスパイが大きな影響力を持っていた。

大量に原子爆弾を製造した両陣営...アメリカとソ連は、自国に打ち込まれないように互いに牽制しあっていた。

その中で、敵国の情報をいち早くつかむためにスパイが活躍した。巧妙な手口で相手国に潜入し、情報を巧みに操り、自国を有利に導いた。

冷戦ではこうした情報戦が主流となり、軍事力と兵士の出番はあまりなかった。

東西冷戦について知っていますか|lifelog223|note

 

以上のような東西冷戦の背景を知っていると話が理解しやすいのではないかと思う。

同じスパイ映画でもキングスマンのように悪玉をぶっ潰して終了、という明瞭な話ではない。

 

 

 

デヴィッド・リーチの説得力

ジョンウィックでは共同監督、本作で初監督、次回作はデッドプール2と、なかなか話題が尽きないデヴィッド・リーチ監督

規模が小さく時間が短いアクションシーンにもきちんと説得力があるのはスタントマン出身だからなのか。

銃撃戦・肉弾戦・カーチェイスを問わず、”重さ”が伝わるアクションが印象的だった。

デヴィッド・リーチ (俳優) - Wikipedia

 

シャーリーズ・セロン演じる女スパイの魅力

www.youtube.com

シャーリーズ・セロン演じる主人公ロレインは、女スパイだが思いっきり武闘派。アクションシーンは息を呑み目を見張る”エグさ”があり、東洋アクションとも、スパイアクションとも言い難い。カンフーやムエタイのような武術や、メカを駆使したスタイリッシュバトルとは対極に位置している。

 

シャーリーズ・セロン自身については、最近だと、マッドマックスのフュリオサ役が記憶に新しい。新しいというより、印象的すぎて忘れられないと言った感じか。

14キロ増量したり、坊主頭に刈り上げたり、そもそもの生い立ちなど、彼女の壮絶さは非常にわかりやすく、キャッチーだ。彼女に対して、絶対に屈しない女性とか、男より男らしいとかありきたりな表現もできる。

 

しかし、彼女の一番のスゴさは、彼女のセクシーさには男性の目線が不要なところだと、俺は思う。

シャーリーズ・セロンを見る時、人は男女を問わずメスになってしまう。

今回のアトミックブロンドでも、その魅力が遺憾なく発揮されている。

シャーリーズ・セロン - Wikipedia

 

禁煙の時代に...勝手にタバコ論

とにかく登場人物が何かとタバコを吸う。嗜好品が限定されている東ベルリンで一般人と一線を画すための小道具だと考えることもできる。

しかしここでは、タバコを吸うのは知られたくない感情や事実を煙に巻くためであるというところを考えていきたい。

SNSまで駆使して自分をわかりやすくキャラ付けし、私生活がなるべく多くの人に目に止まって欲しいと思っている現代と違いって、1989年は実名すらを知られることすら脅威になり得る。他人を信用せず、自分のことは一切話さない。しかしそれはコインの表と裏のように表裏一体なのではないか?

 

いつの時代においても、人は他人のアウトラインを勝手に引いて領域を指定したがる。かつてはそれを煙に巻いて悟られまいとし、今はその領域をフォロワーとサムアップで拡大しようとしている。

タバコは嫌われたのではなく必要とされなくなったのだ。

 

映画館行く必要ある?

アトミックブロンドの見どころはアクションに終止するのかというと、それだけではない。全編を通して、1989年当時に流行していた音楽が、共産主義フューチャーとでもいうべき画作りと鮮烈な色使いにマッチし、グルーブを深めていく。

この映画の迫力を引き出す環境は、やりすぎくらいでちょうどいい。音響も映像も環境の整った映画館で見ることを推奨する。

 

 

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