無塩せきガソリン

SALT-FREE GASOLINE

MENU

「拳で抵抗する21歳」と本当のインフルエンサー

 
sugunikese.hatenablog.com

 

「拳で抵抗する21歳」が各SNS、動画サイトで悪い意味で話題だ。

まだ知らないという方はリンク先に詳しい経緯と問題点が整理されているので参照してほしい。 

 

しかしこの動画、そして彼の言動(おもしろいおもしろくないは別として)が拡散されていくのにはなんとなく抵抗がある。

お笑い芸人ならいざ知らず、この「拳で抵抗する21歳」は全くの一般人。

拡散されることには不本意だろうし、当人には何のメリットもない。

では、この動画を流行らせている張本人は一体誰なのか

 

 

Youtubeは誰のものか

代表的な動画サイトであるYoutubeにおいて、30億回以上再生されている(現時点で)動画は2つある。

SEE YOU AGAINDESPACITOだ。

SEE YOU AGAIN

ワイルド・スピード スカイミッションの主題歌。映画の最後にかかるとても感動的なシーンの曲。

www.youtube.com

 

DESPACITO

スペイン語のラテンバラード。ジャスティン・ビーバーがリミックスをしたことでも知られる。

曲が流行っていく経緯は以下のリンク。

http://www.guiademusica.net/latin-2017/luis-fonsi-despacito-ft-daddy-yankee

www.youtube.com

 

これらの曲を全く聞いたことが無いという人がいても不思議ではない。

テイラースイフトやブルーノマーズのような超有名ポップシンガーでもなければ、カンナムスタイルやピコ太郎のようなお笑いバズ系でもない。至って普通の曲だ。

 

なぜこの2本がそれほどまで再生回数を叩き出しているかということには様々な理由があるだろう。

今回の趣旨に寄せて一つだけに注目するなら、こういう曲を好む層が見えないだけでメチャクチャいるということになる。

 

ビジネスを通じて社会的立場を築くよりも、仲間で盛り上がることができてキャッシュで払えることを重要視する。

スーツとネクタイよりもTシャツとジーンズを好む。

高級セダンよりもスポーツカーを好む。

Youtube再生回数の1位と2位を占めているのは、そういう層だ。

 

 

ワイルド・スピードの興行収入はすべてを物語る

順位 題名 スタジオ 全世界収益 参照
1 アバター 20世紀FOX $2,787,965,087 2009
[# 1]
2 タイタニック 20世紀FOX / パラマウント $2,186,772,302 1997
[# 2]
3 スター・ウォーズ/フォースの覚醒 ルーカスフィルム / ディズニー $2,062,346,360 2015
[# 3]
4 ジュラシック・ワールド ユニバーサル・ピクチャーズ $1,668,984,926 2015
[# 4]
5 アベンジャーズ ディズニー $1,519,557,910 2012
[# 5]
6 ワイルド・スピード SKY MISSION ユニバーサル・ピクチャーズ $1,515,047,671 2015
[# 6]
7 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ディズニー $1,405,035,767 2015
[# 7]
8 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 ワーナー・ブラザース $1,341,511,219 2011
[# 8]
9 アナと雪の女王 ディズニー $1,279,852,693 2013
[# 9]
10 美女と野獣 ディズニー $1,262,952,693 2017
[# 10]

 

世界歴代興行収入上位の映画一覧 - Wikipedia

 

世界で興行収入が上位の映画を10位まで抜粋した。

6位のワイルド・スピード/スカイミッションに注目して欲しい。(ちなみに11位はアイスブレイク)

ラブロマンスや冒険活劇、ディズニーアニメの中に、しれっとカーアクションムービーが入り込んでいる。

カップルや家族みんなで観るような映画の中に、イカツい車とイカツいファミリー(家族とは別の意)が紛れ込んでいるのだ。

 

このスカイミッションは確かにおもしろかった。それに、最後にかかるSEE YOU AGAINでも泣いてしまった。そういった面白さと観客動員は全く別の話だ。

映画なんかめったに見ないけど、ワイルドスピードが好きで、新作が出るときだけファミリー(家族とは別の意)で劇場に乗り付ける人たちが全世界的な規模でかなりいる、ということになる。

 

実際に足を運んでくれる人は誰だ

余談だが、以前俺の住む田舎町でもストレイト・アウタ・コンプトンが上映された。

世界的なヒップホップ集団NWAの軌跡を、主要人物であるイージーE、ドクタードレー、アイスキューブを中心に描いたノンフィクション映画だ。

 

俺は色んな映画評で絶賛されているのを見ていて、公開初日にワクワクで映画館に向かったら、そこにいたのはいつもとは全く違う客層だった。

目を疑うようなヒップホップスタイル、ニューエラのキャップ、スポーツメーカーのジャージ、オーバーサイズのシャツ、ゴツいアクセサリー、暗いのにサングラス...ド田舎で見えなかっただけで、こんなにシーンが根付いていたのかと驚いてしまった。。

 

ワイルドスピードの観客にも同じことが言えるだろう。

彼らは映画には興味がない。しかし、自分のテリトリーのイベントには律儀に足を運ぶのだ。

 

本当のインフルエンサー

このワイルド・スピードが好きな層に訴求できればかなりのインフルエンスが生まれる。実際、ユーチューバーなども結構な数でワイルド・スピード層だ。反社会スレスレで、脳がヒリヒリするような動画で再生回数を稼いでいる。

news.livedoor.com

ワイルド・スピード層がワイルド・スピードをやることで、今のメディアでは充分娯楽足り得るのだ。

 

このワイルド・スピード層の好きなファクターが徐々にウェブに侵食している。

車、喧嘩、警察とのバトル、仲間の絆、恋人を大事にする姿勢...ワイルド・スピード層はネットの深部にまでハックできるようになったのだ。

彼らが求める、そして発信するのは、脳に直接突き刺さるヒリヒリするような動画、そして悪ノリだ。

「拳で抵抗する21歳」はそういうムーブメントなのだ

 

ネットは誰のものか

f:id:cte26533:20170924180551j:plain

 

かつてネットで隆盛を誇っていたはずのオタクが、今や圧倒的なワイスピの数に抵抗できずに晒し者にされてしまうようになってしまった。少し前なら動画を撮影した方が「DQN乙」などと晒されてしまっていたことだろう。しかし今となってはこのワイスピ層に届くコンテンツこそが民意であり正義なのだ。

 

コアなオタク向けコンテンツ、インスタでキラキラしている女子、意識が高いビジネス啓発、地方で頑張る様子を逐一発信していく若者...インフルエンサーと呼ばれるような彼らに、現実世界まで到達するような拡散力は残念ながら無い。

 

これから本当に価値のあるインフルエンサーになるためには、こういうワイルド・スピード層に訴求できることが必須となるだろう。観ておいて損はないと思う。