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ベイビー・ドライバー【ネタバレ無し感想】 車か音楽か映画が好きなら

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映画『ベイビー・ドライバー』オフィシャルサイト|ソニー・ピクチャーズ

 

おもしろい映画に必ず共通する要素は以下の3つだ。

「爆発」「カーチェイス」「バイオレンス」「セックス」

おっと、4つだったな。

 

これらがうまく描かれていればそれは必ず面白い映画であり、これが欠けているならば見る価値なんてない退屈な映画だ...というのはまあ極論だけど。

しかし、どれだけCGや映像技術が発達してもこの3つの要素は根強く人気だ。

人間が見たいものは昔からそう変わらないし、結局キラーコンテンツはこの辺をしっかり押さえている。

 

ベイビー・ドライバーはまあ言ってしまえば全編通して音楽と映像がシンクロしている映像がウリなんだけど、それはあくまで映画として強固な地盤があるからこそ可能なんじゃないか、と思うのだ。

 

 

 

 ミュージックビデオ化する映画

近年は音楽と映像がシンクロするような予告編が人気だ。スーサイドスクワッドやマッドマックスの予告なんかが特に印象的だ。

www.youtube.com

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こういった映像と音楽のシンクロは映画のみならずゲームやMVでも要所でフックのためのスパイスとして使われじわじわと人気を集めている。

ララランドやジョンウィックなんかが顕著な例かな。

そしてついにベイビードライバーがシンクロそれ自体を主題の一つに据えたという感じだ。

 

じゃあ、ベイビードライバーは音楽シンクロ一辺倒でゴリ押しする映画なのかというとそれは違う。

映画単体としてもハンパなく深みがあり、様々な味わい方ができるのだ。

 

タランティーノ・イズム

例えば、アメコミ映画で悪役の凶悪さを描く際、ビジュアルの仰々しさや仲間を非情に扱う冷徹さ、悪行の規模の大きさなどを強調する。

殺傷能力の高そうな武器や素体剥き出しのパワードスーツ、普段の悪人相など、ひと目で「こいつワルだな」と分かるような構成・演出がなされている。

 

ベイビードライバーは主人公が窃盗団に所属しているということもあり、出て来る人物全員が悪人相で髪型からタトゥーからヤバそうなヴィジュアルの奴らばかりだ。

ただそれはあくまで悪人演出の一面にすぎない。

こいつらのヤバさをベイビードライバーでは会話劇と普段の素行、そして柔和な一面をスパイスとしてそっと忍ばせることによって表現している。

ワルだけど話は通じるクレバーなバッドガイ、かと思いきや理屈が通じないとなると平気で人を殺すサイコ...そういうキャラいるでしょ?

 

以上のような「話通じるのかよくわかんなくて怖い敵」みたいな演出といえばタランティーノだ。

レザボア・ドッグス、ジャッキー・ブラウン、キル・ビル、イングロリアス・バスターズ、ジャンゴ、ヘイトフルエイト...以上の作品にはこの「話通じるのかよくわかんなくて怖い敵」がいて、ストーリーに効果的に絡んでくる。

こうした「悪人演出」がビジュアルに頼らずに丁寧にされていたのが印象的だった。

ここがタランティーノっぽいなと感じた理由その1。

 

また、冒頭に主人公がコーヒーを買いに行くシーンがあって、ストーリー的にはさほど意味は無いんだけど、映画自体を示唆する重要な1カット(1カット!まあ長尺の1カットは流行りだし)なのだ。

要はわりとなんでもない、ストーリーのつなぎみたいな退屈になりかねないシーンが映画自体を示唆していたり、パーソナリティが色濃く映し出されたり、なんでもないと思っていたら徐々に不穏な感じになっていったり...と言った具合に、気を抜いてボケッとするタイミングがないのだ。

タランティーノっぽいなと感じた理由その2。

 

 

メタの仕掛けとしての音楽

たまに映画に出ているキャラが観客に向かって喋りかけてくるような映画、あるじゃん?

ああいうメタ目線とか第四の壁とかに関してはデッドプールあたりで「行くとこまで行った」状態になったものだと思っていた。

あんまりやりすぎても正直下品だし、デッドプールのアプローチも「やりすぎて笑うしかない」という感じだったし。もうメタは今後は収束して、忘れられた頃に驚かせてくれるんだろうなと思っていたのだ。

 

ベイビードライバーのメタはその進化版とも言うべきか、とにかくオシャレに音楽をその仕掛けとして前兆なくいきなり訪れる。

それが俺にはすごく新鮮だったし、「お!ここで来るんだ!」みたいな驚きでもあった。

 

 

 

あ、ちなみに冒頭でセックスとか流血とか言ったけど、完全クリーンスケベ残酷一切なし、気まずさゼロの映画だからデートで行っても大丈夫だぜ。

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