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POPEYEという雑誌とファッション誌

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新刊が出たら必ずチェックして、気に入ったらそのまま購入する雑誌がいくつかあって、その一つがポパイだ。

大方の人がそう思っているように、ポパイはカルチャー寄りのファッション誌だ。服そのもの以上に、服を着て「何をするか」そして今キている人は「何を着ているか」の方に重心を置いているということだ。

 

なんか一度廃刊したらしいんだけど、俺が知っているのは当然復刊してからのポパイだ。フリースタイルダンジョンとは違う角度からずっとヒップホップシーンを追っていたり、かと思うとド直球の人気女優やアーティスト(今月号だけでも中条あやみ、きゃりーぱみゅぱみゅ、コムアイ、橋本愛)が寄稿していたりインタビューされていたり。知名度と人気の高い人の、コアな部分からディープなカルチャーに誘導していくような導線が敷いてあり、そのアイコンとしてファッションを織り交ぜている...といった印象だ。

 

ファッション誌…?

多くの書店でポパイは「男性ファッション誌」の棚に陳列されている。間違いではないよね。

じゃあここで、今月号のポパイの導入部分、上質なカラー広告とグラビアのコラムが終わって、目次があって、ここから本編が始まりますよ、という1ページ目を見てみよう。

 

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小説か!

いや、小説なんだけど。

 

今月の特集は「君の街から本屋が消えたら大変だ!」。東京中心ではあるが、国内・国外の様々な本屋が紹介されており、イラストや写真も本をモチーフにしたものばかり。そして、問題の導入部の小説。ファッション誌で1/4がイラストで3/4が文章って、なかなか見ないレイアウトだ。

文量も多く、本のための雑誌といったところ。実際に取材してるんだろうし、異常な濃度だ。読んでいて楽しいし、いろんなことを学んでいる気がするけど、実際の生活には余りフィードバックされないであろうところも、雑誌らしくて最高だ。

今月号のポパイは当然、閑古鳥が鳴いている一番近所の小さな本屋で買った。

 

ファッション誌とは

ファッション誌と一口に言っても様々な種類があってそれぞれのカテゴリ間を曖昧に揺らぎながら全体を形成してる感じか。きっちり区分けはできないが、大まかに役割があるようだ。

 

カルチャーメイン

ポパイをはじめ、ライトニング、アイスクリーム...など。

おもしろくなりそうなものを紹介している。

ファッション要素が薄くなると、ブルータスやデイトナなど、もしくは各専門誌になる。

 

ジャンル特化メイン

メンズファッジ、ゴーアウト、2nd...など。

各ジャンルに注目し、その動向や新商品を追う。

商品紹介とかアイテム別比較とかが主。

 

コーディネイトメイン

メンズノンノ、スマート、ファイン...など。

トレンドを忠実にトレースし、「今するべき格好」と「使えるアイデア」を教えてくれる。

一週間着回しとか、TPO別アイテム使いとか。

 

モテメイン?

メンズナックルとかああいうの。

そういえば今まで手に取ってこなかったな...

何が書いてあるか正直わからん。

 

参考:男性ファッション雑誌ガイド

 

ファッション誌にファッションは必要か

服そのものが好きとか、コレクションが好きとか、業界が好きという場合、装苑とかGQとかみたいな俺がまだ理解できない雑誌や、一部のハイブランドを取り扱っている雑誌は有用だろう。業界に携わる人達の生の声がそこにあるわけだから。服そのものにフューチャーしている、かなりストイックな分野だ。

 

それとは別に、業界で流行ってる服装って何となく分からない?という問題がある。今ヒップホップ好きな連中に、超オーバーサイズでキメている時代遅れな人間なんてもういない。カニエか、チャンスか、ケンドリックか、そのへんに寄せた格好をしている。ジャンルに精通しているなら、トップランナーの格好を真似たり同じアイテムを取り入れたりして敏感に反応しているはずだ。

このように、ファッションなんて本来教わるものでなく勝手に真似していくものだ。そのジャンルやクラスタごとのルールやしきたりに合わせたり、逆に無視したりすることで少しずつ変化していくものだ。そのうち、各々に合ったスタイルを見つけて行くことになるのだろう。

 

一方で「ファッション指南」という考えは未だ根強く、このジャケットとボトムスが相性抜群!とか、色数はいくつまで!とか、「それって決まりなの?」みたいなことを流行に合わせてずーっとやっている一群がいる。そして人気もニーズもある。なんだそれ。そういう人たちって真似したいスタイル、ないの?好きなこと、ないの?コスパが良ければそれでいいの?このへんは俺にとってかなり不思議で理解しがたい世界なのだ。

 

ポパイも何回かに一回、ファッションに寄った特集をする(来月号のテーマはオールドファッションだそうだ)。ド頭に小説をぶつけてきたり、本誌の大半を本屋紹介・おすすめ本紹介に費やす雑誌だからこそ、数回に一回のファッション特集に説得力が出る。そして、俺はファッションにおいて重要なのは服ではないと思っているので、やっぱりポパイの類の「読んでいて面白い」というところに価値を置いてしまうのだ。

 

 

POPEYE(ポパイ) 2017年 9月号 [君の街から、本屋が消えたら大変だ! ]

POPEYE(ポパイ) 2017年 9月号 [君の街から、本屋が消えたら大変だ! ]

 

 [最終更新:2017/8月17日]