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ワークウェアの今後

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ディッキーズ、カーハート、古くはリーバイスなど、ワークウェアはニーズに合わせて徐々に形を変えながら広く愛されている。元は作業着だったジーンズは今、およそ服屋なら見かけないところがない定番カジュアルウェアとなっている。このように、何かに特化しそれを追求していった服は、あるポイントを超えると業界外に見つかり広められる。そうして根付いてしまえば後は様々な形でリメイクが施され、カジュアルウェアへと変遷を遂げる。

ワークウェアはそのタフさや着ている様のカッコよさなどから様々な定番アイテムがカジュアル化されてきた。じゃあ今後は、カジュアル化されていいないけど魅力のある、マジのワークウェアを見る機会はなくなってしまうのだろうか?

 

パタゴニアのワークウェアラインが示すスタイル

先日、パタゴニアがワークウェアをリリースすることが発表された。

〈Patagonia〉のワークウウェアビジネスディレクターEd Auman(エド・オーマン)は「我々のワークウェアラインは、環境改善のために実際の現場で尽力し、進歩とは何かを体現している男性、女性のためにあります。我々の会社の鍛冶屋としてのルーツ、我々の環境保護への取り組み、そして我々のオーガニックで再生可能な農耕業への投資が、我々自身を、この本物のワークウェアの生産へと導いたのです」と話す。 

パタゴニアよりワークウェアがデビュー | HYPEBEAST

 

また、以下の特設サイトでは林業・漁業・建築などあくまで”アウトドア”なワークスタイルを提案している。ワークウェアラインのアイテムで主に使用される素材が麻・リサイクルポリエステル・オーガニックコットンというところも、パタゴニアのフィロソフィーを受け継いでいる。

環境に配慮しており、長く使える耐久性があり、過酷な状況でパフォーマンスを支え、背景にあるカルチャーを後押しするという意味で、パタゴニアとワークウェアの相性は非常にいい。

www.patagonia.com

  

アウトドアウェアとしてだけでなく、環境改善のテーマを抱えた手広いアパレルブランドとして、パタゴニアは広く知られている。カジュアル・普段着の方向と、厳密な精度と確かな機能性が期待されるアウトドアの方向二つの軸で考えても、ワークウェアへの参入は腑に落ちる。きっと労働だけじゃない様々なシーンで活躍することになるんだろう。それがどんな意味であれ...

 

「カッコいい」の感覚

かつてヤンマーが「農をスタイリッシュに」という感じのコンセプトで、きれいなシルエットでカッティングされ様々な機能がついたいい感じの農作業着をリリースしたことがある。

この取組自体はワークウェアの地位向上としてよかったと思うのだが、ある一つの懸念が浮き彫りになった。

もしかしてこういうワーク系の企業ってかっこよくする=スタイリッシュなシルエットやデザインにするという概念しか持っていないんじゃないか?

www.yanmar.com

 

ロゴやタグに力を入れたり、ちょっとしたディティールが魅力を左右するというのはワークウェアにとってありがちなことだ。裏地に縫い付けられた品質保証タグや物を引っ掛けるループやポケットの裏地など、縫い代数ミリまで見られて良し悪しが判断される。そんな細かいところを気にせず、機能こそを厳密に追求し、近未来感のあるシルエットで強行突破するのは、どちらかというとアウトドアウェアの本領だ。ワークウェアはディティールが命なのだ。

 

労働のカッコよさはガラッパチだったり、過酷な環境で耐え抜いたり、ボロボロの手で繰り出される熟練した職人技だったりする。そういうファクターにスタイリッシュなデザインをかけ合わせてうまく化学反応が起きるだろうか?

 

ワークマンとユニクロ

どうも最近ワークマンの動きがきな臭く、ファッション業界への参入をもくろんでいるらしい言動が観測できる。きっと優秀なチームを組んで大々的なプロモーションをして成功するのだろう。日本においてワークマン以外に目立ったワークウェアメーカー・ブランド・ショップってないし。そもそもワークウェア自体がホームセンターなんかでポリエステル素材の安物が雑に売られている感じで、とにかく蔑視されている感じだ。仕事に着ていくのなんかこれで十分、みたいな。

しかし、ワークマンはそういった文脈上からは抜け出すつもりらしい。そこそこの品質のものを安く売る、ユニクロのような「必要充分」といったワークウェアがそのうちできるのかもしれない。きっと労働だけじゃない様々なシーンで活躍することになるんだろう。それがどんな意味であれ...

 

本当に欲しいワークウェア

しかし俺が本当に期待しているのは、他人からの評価を得やすい服じゃなくて、ディッキーズ、カーハート、リーバイスみたいに、ディティールが魅力的で機能も申し分なくてなにより本当にワーク仕様といった着ていてアガる服だったりする。ワークマンにはぜひここを目指してほしいけど...やんないだろうなあ。

ワークがコンセプトにあるファッションブランドとファッショナブルなワークウェア。そこから逸脱したマジのワークウェアの限界は、今のところホームセンターで雑に売られている安物止まりだ。残念ながら。