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『ナイスガイズ!』 −こういうのでいいんだよ こういうので

 ナイスガイズ!(原題:the nice guys)を観た。

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ウィークエンド・シャッフルでは「しょーもない笑いを全力で取りに行く映画」と評されていたが、まさにその通りと言った感じ。基本的に不謹慎ギャグ、下ネタ、変顔、奇声のドタバタ劇で 、合間でチビっ子の活躍やスケベが清涼剤となるバカ男子好みの要素が完璧なバランスで配合されている映画だった。サスペンスの体を取ったコメディというわけだ。特筆すべきはライアン・ゴズリングで、直近で言えば『ラ・ラ・ランド』で女性が憧れるダメ男だったが、本作では男性が惚れるダメ男を完全に演じ切っており、一言で言えば最高だった。

 

汚職、ポルノ、暴力、探偵…こういう要素で構成される映画をフィルム・ノワールというらしいが、詳しくないのでわからない。

フィルム・ノワール - Wikipedia

 

俺が連想したのは『ビッグ・リボウスキ』で、ダメ男がバカにされたりぶん殴られたり陰謀に巻き込まれて振り回されたりして情けない目に遭うけど、世間や周囲の目を気にせず自分のスジをきっちり通していくという構造は、ギャップでウケを貰えるし、往年のハードボイルド小説のように主人公を超クールに魅せるという最高な機能がある。ナイスガイズという題名も途中のスラップスティックでは皮肉に聞こえるが、最後には誰もが頷いてしまう。

正義だ悪だで悩むスーパーヒーローのよくわからない葛藤よりも自分の正義をきっちり全うするダメなおじさんの活躍の方が俺は好きだ。作っている側にも思い入れがあるだろうし、そういうメッセージを発する人たちを俺は応援したい。もし君が男性で友達がいるならすぐに一緒に観に行っていい思い出を作ってこいと、そう思う。

 

ちなみに本作の予告で流れたのがグレートウォール、スパイダーマンウルヴァリンワンダーウーマントランスフォーマーパワーレンジャー美女と野獣とかのビッグバジェット超大作中国ゴマスリ映画ばかりで、もちろん面白そうなのだが、映画ってそういうのだっけ?というちょっとした疑問が残る。特撮CGアメコミは人気あるし面白さが担保されている部分もあるけど、そんなにたくさんポンポン出されても全部追えないし、なんか似たようなのばっかりだし、正直なところ「これは後世に残る!」なんてのは一本もないのでは…。なぜかというとセルアウトだから。それらと対比するとナイスガイズのようなベーシックな面白さは、すごくありがたく感じるのである。こういうのでいいんだよ、こういうので。

 

 

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